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富山県氷見市姿地区がある灘浦海岸から望む虻が島と立山連峰。海面には定置網も見える=氷見市観光協会提供

【2】能登半島 ~氷見~

 能登半島は13市町からなるが、唯一、石川県以外の自治体が富山県氷見市だ。能登半島地震で、石川に比べ、富山の状況はあまり伝わっていないものの、7市村で震度5強を観測し、県内で災害関連死2人、重軽傷者54人に及んだ。

連載「半島を歩く」

能登半島地震を機に、災害時の脆弱さがあらわになった「半島」。半島地域の発展と住民の生活向上を図る半島振興法の制定から40年。全国各地の半島を記者が訪れ、現状を探り、課題を考えます。全8回の連載です。

 県のまとめでは、昨年12月25日時点で、住宅被害は2万2562棟。そのうち氷見市は市町村別で最大の6706棟(全体の約3割)だった。全壊259棟の約9割(233棟)、半壊807棟の約6割(502棟)と大きな被害も集中した。そんな同市で最も被害を受けたのが姿地区だ。

 半島東側の付け根、石川県境から3キロほど富山に入った小さな集落。山が海岸に迫り、住民は、海沿いのわずかな平地に暮らしてきた。約1キロ沖に富山湾で最も大きい「虻(あぶ)が島」(総面積4300平方メートル)が浮かぶ。動植物の宝庫で、県の名勝天然記念物に指定されている。雄大な立山連峰を背景に望める人気の撮影スポットだ。

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氷見市姿地区がある灘浦海岸から望む虻が島と立山連峰=氷見市の灘浦海岸、氷見市観光協会提供

 能登地震では、57軒のほと…

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